Amazon Goとは言わずとしれたインターネット上のショッピングサイト「アマゾン」が提供する店舗型の食料品店です。
しかも単なる実店舗という訳ではなく、最先端のAI技術などを駆使してお手軽便利に買い物ができるというのです。
そんなAmazon Goの仕組みや現在の店舗数、普及に向けての問題点や課題とは何があるのか紹介します。
目次
Amazon Goが誕生した時期や店舗数とは
Amazon Go Store最初の店舗が誕生したのは2016年の12月5日の事。
アメリカのワシントン州シアトルにて従業員限定のテスト店舗として記念すべき1号店が開業された後、2018年1月22日に晴れて一般公開となりました。
現在ではアメリカとイギリスにて約30店舗ほど展開しており、今後システムや技術提供が進むことで更に店舗数は拡大していくものと思われる。
少なくとも数年後に20店舗近く新たな店舗を開業する目処がついていると公式で発表しているので、総店舗数が3桁を超えるのも時間の問題と言えるでしょう。
キャッチコピーに「NO LINES. NO CHECKOUT.(並ばない、レジ会計なし)」を掲げている通り、従来のコンビニやスーパーの常識を根底から覆す仕組みを取り入れている最先端の試みがAmazon Goなのです。
価格としてはコンビニと比べても大差なく、アマゾン・ゴー・グロサリー(Amazon Go grocery)という名前の通り肉や野菜などもラインナップされています。
Amazon Goの特徴とは
それでは気になるAmazon Goの特徴をみていきましょう。
一体どのように便利で、どのような利点があるのでしょうか。
レジ会計無しの自動精算
近年では本国日本でも店員によるレジ精算を排除した「セルフレジ」が普及しつつありますが、Amazon Goはその更に先の未来を提供しています。
なんと、レジ会計がない「キャッシャーレス」という仕組みになっているのです。
Amazon Go店内にて欲しい商品を手に取り、上着のポケットやマイバッグに入れ、後はそのまま店を出れば購入完了という驚きのシステム。
AWSというアマゾンの最先端のAIテクノロジーを集結させる事により、このような事が可能となっているのです。
これにより、買い物完了までのフローが非常にスムーズになり、会計の列に並んで待つことや支払い時にまごつくという手間や面倒が一気に取り払われます。
クレジットカードも相手に渡す必要がないので大切なカード情報などの保護にも。
感染症対策にもなる
通常のレジ会計は店員との対面が必要となりますし、現金やレシートの手渡しなどが行われます。
そういった際に気になるのはやはり感染症などのリスクです。
日々、多くの人間と接する事を強いられるので店員・購入者の双方にとってストレスの種となります。
セルフレジの場合も幾つか購入者がタッチパネルでの操作が必要となるので完全とは言い切れません。(近年ではタッチ式ではなくセンサー感知による操作ができるセルフレジ端末の導入を試みている店舗もあります)
Amazon Goであれば誰とも対峙する必要がなく、接触の機会が殆ど0となりますので、コロナ禍やインフルエンザ等における感染症対策としての意義があります。
購入内容の管理もスマホで便利
Amazon Goでの買い物が完了して店舗から出ると購入完了の通知がスマホに届きます。
その際に購入した商品の写真や名前・値段などが一覧にて表示されます。
これが会計時のレシートとなり、何を購入したか等をスマートフォンにて確認できるので便利です。
これまでレシートが必要ない方であったり、確認し終わった際にはゴミとなって捨てられるものでしたがデジタル化される事によって資源の無駄が無くなり地球環境にも優しいという副次的なメリットもあります。
Amazon Goの使い方とは
Amazon Goの利用方法は非常に簡単です。
Amazon Goアプリの設定を行う
1.アメリカのAmazon Go店舗へ入店する為には、まずはアメリカのAmazon.comのアカウントが必要です。
2.次に、Amazon Goのスマートフォンアプリをダウンロード(無料)します。アプリはiPhone・Androidそれぞれ用意されております。
3.ダウンロードが完了したらアプリを起動。
4.アメリカのアマゾンアカウントにてログイン。
5.クレジットカードの登録を求められるので登録する。
Amazon Go店舗へ入店・買い物をする
Amazon Goの店舗の入り口には駅の改札のようなゲートがありますので、Amazon Goアプリにて表示させたQRコードをゲートのスキャナーに読み込ませると入店ができます。
後は店内にて好きな商品をピックアップすれば自動的にAIセンサーが購入情報をアプリ内に反映してくれます。
そのまま手に抱えた状態でも良いですし、自前のバッグまたはスタッフから提供されるショッピングバックに入れるなどして買い物を進めます。
商品を選び終わったらそのままゲートから店舗へ出るだけでOK。退店時はアプリのQRコードをかざす必要がないので商品で手が空いて無くても問題ありません。
これがAmazon Goの全く新しいショッピングです。
Amazon Goの問題点や課題とは
レジを介さずそのまま店を出るだけで精算が完了する。
まさに夢のような仕組みで買い物ができるAmazon Go店舗ですが、決して順風満帆とは言い切れません。
今後のAmazon Goの普及・発展を目指すにあたって「素通りできない」問題点や課題というものが幾つか存在します。
誤購入の可能性
Amazon Goを利用した際に、「購入していないものが含まれて精算されていた」という問題が発生する事があります。
赤外線、圧力、重量などのあらゆるセンサーによって購入者が商品を手にとったり棚に戻したりという行動を認識しているのですが、それは100%完璧とは言えず時折ミスや検知エラーが起きてしまうのです。
支払いはアプリに登録したクレジットカードから自動的に行われるので、複数の商品を購入した際にレシートを確認しないと誤って購入扱いとなっている商品が含まれていても気づかないという危険性を伴っています。
そのような誤購入の商品に関してはアプリ上から対象商品をスワイプする事で取り消し・返金が簡単にできるようになってはいますが、毎回レシートを注意して確認しないといけないという点はAmazon Goのメリットである「スマートさ」を大きく損なう問題です。
今後の店舗拡大に向けて、そのような誤購入の発生は限りなく0にする事がAmazon Goにとって目下の急務となります。
システムエラーの懸念
日本のメガバンクである「みずほ銀行」ではシステム障害が度々起こり、それによって利用者が振り込みなどが出来なくなるというニュースを目にする事があります。
過去にはセブンペイのシステム内への不正アクセスにより、多くの利用者が「見の覚えのない決済をされている」という被害が相次いて起こりました。
このように、デジタル化されたものには便利な反面、そういったシステムエラーによるリスクが伴います。
Amazon Goにおいても同様の事態が懸念されます。
財布を持たずにAmazon Go店舗へ買い物に出かけたのにシステムエラーにて利用ができなかった…というような事が起こりえるという事は常に考えておかなければなりません。
雇用への影響
AIおよびAIロボットの普及により、将来的に人間の仕事の半分程度がそれらに取って代わると言われています。
AIで代用可能となる職種に就いている方はその仕事を奪われるという事になり、大まかにみて100種類以上のジャンルがそれに該当するという見方もあります。
Amazon Goやコンビニ・スーパーなどの店員などはその代表的な例で、セフルレジはその第一歩となっており、それは決して遠い未来の話では無いのです。
作業効率やコストの面で一度でもAIの導入が定着してしまえば元の手作業に戻ることは殆どないと考えられるので、実にシリアスな問題です。
Amazon Goとは?まとめ
世界最大規模のECサイトであるAmazon.co.jpが店舗型のサービスを始めた事で今後キャッシャーレスのサービスは増加していきそうです。
とはいえ未だアメリカとイギリスの限られた場所でしか展開されていないので日本へいつ進出してくるかは予想できません。
しかし、Amazon GoのようなAIシステムを利用した小売店・無人コンビニや飲食店の開発は日本でも行われており、これからの近い未来において様々な形で展開されていくと考えられます。
Amazon Goとは所謂「レジのないコンビニ・スーパー」であり、海外に行った際には是非利用してみたいサービスであります。