Amazonで売られている物ならほとんど買えて、自分用としても贈り物としても使える便利なAmazonギフト券。しかし、そんなAmazonギフト券をだまし取られる詐欺の被害が増えていることをご存じでしょうか?
今回はその手口や対策法をご紹介します。
目次
こんなにある!Amazonギフト券を狙う詐欺の手口
まずは、よくあるAmazonギフト券を狙う詐欺の手口を8つご紹介します。
①架空請求詐欺
「有料サイトの利用料金が未払いになっている」などとメールや電話、ハガキで連絡してきて、利用していない架空の料金を請求する手口です。この料金として、現金ではなくAmazonギフト券を要求されることがあります。
コンビニでカードタイプのギフト券を買って、裏面のギフト券番号を口頭や写メで教えるように指示されることが多いようですが、この手口は店員の声かけで阻止されることも増えてきました。
そこで登場した新たな手口が、詐欺師があらかじめチャージタイプのAmazonギフト券をコンビニ払いで注文しておき、支払い番号を教えて代金を支払わせるというものです。これなら、被害者も店員もAmazonギフト券の代金だと分かりません。
②振り込め詐欺
振り込め詐欺といえば、ATMを操作させて現金を振り込ませるのが従来の手口でしたが、最近は振り込みではなく、Amazonギフト券を要求する手口が増えています。
こちらもコンビニでカードタイプのギフト券を買わせて番号を要求する手口や、支払い番号で代金を支払わせる手口が多いようです。
③融資詐欺
「貸します詐欺」とも呼ばれる詐欺です。
融資するために必要だとして、「保証金」「紹介料」などをだまし取る手口です。実際は融資せず行方をくらまします。この支払いにも、Amazonギフト券を要求されることがあるのです。
④当選商法詐欺
現金や景品が当選したという嘘のメールを送り、受け取るために保証金の支払いを要求する手口です。
例えば、「ニンテンドースイッチが当選したので、受け取るためにAmazonギフト券番号を送って」という詐欺メールが実際にありました。
⑤Amazonギフト券買い取り詐欺
Amazonギフト券の買い取りを装い、ギフト券番号を教えてもらったのに代金を支払わない手口です。また、代金の支払いはあったものの、極端に低い買い取り率だったというケースもあります。
悪質な買い取り業者のサイトには、利用者が気付きにくい目立たない位置に小さな文字で不当な条件が記載されていたりします。
⑥SNS乗っ取り詐欺
TwitterなどのSNSのアカウントを乗っ取り、「財布を落としたので助けてほしい」などとフォロワーにメッセージを送り、Amazonギフト券をだまし取る手口です。
⑦フィッシング詐欺
Amazonを装った偽のメールを送り、パスワードなどの個人情報を盗む手口です。
偽のメールには、Amazonそっくりの偽サイトのURLが記載されています。そのURLにアクセスして、偽サイトのログイン画面でメールアドレスとパスワードを入力すると、情報が盗まれてしまいます。
そして、盗んだパスワードでAmazonに不正ログインして、Amazonギフト券を勝手に購入してしまうのです。
⑧援助交際詐欺
出会い系サイトなどで、援助交際すると装い先払いを要求し、Amazonギフト券番号を送らせる手口です。また、ツイッターやLINE等で「アダルト画像を送るからAmazonギフト券を送って」といった詐欺もあります。
なぜ?Amazonギフト券が狙われる理由
なぜこんなにAmazonギフト券が狙われるのでしょうか?現金に代わってこれだけ狙われるようになったのは、詐欺師にとって以下のような好都合な理由があるからです。
口座凍結のリスク回避
振り込め詐欺の被害者が増えたことを受けて、平成20年6月に「振り込め詐欺救済法」という法律が施行されました。これにより、被害者が申請すれば振込先の口座を凍結できるようになったため、詐欺師にとっては口座振込のリスクが高くなったのです。
「出し子」や「受け子」が必要ない
詐欺グループは現金をだまし取る場合、振り込まれた現金を口座から引き出す「出し子」やターゲットから直接現金を受け取る「受け子」を雇っていました。
これに対し、Amazonギフト券ならギフト券番号さえ入手できればいいので、出し子や受け子を雇うコストも手間もかからず、裏切られるリスクもありません。
匿名性が高い
Amazonアカウントは本名でなくても登録できますし、いくつでも作ることができます。そのため、だまし取ったギフト券を登録したアカウントは匿名性が高く、身元が特定されるリスクが低いのです。
換金性が高い
Amazonギフト券は、買い取り業者やマッチングサイト、オークションサイトなどで比較的簡単に換金することができます。楽天ギフトカードやiTunesギフトカードなど、他の電子ギフト券でもできるのですが、Amazonギフト券は特に換金率が高いので、現金に換えるには最適なのです。
Amazonギフト券の詐欺に遭ったらどうすればいいの?
もし不運にもAmazonギフト券の詐欺に遭ってしまったら、どうすればいいのでしょうか?
ギフト券番号を自分のアカウントに登録してみる
ギフト券番号を教えてしまった後に詐欺だと気付いたら、なるべく早くギフト券番号を自分のアカウントに登録してみましょう。犯人に使われる前なら、取り返せる可能性があります。
■アカウントに登録する手順
①「ギフト券」をクリック
②「ギフト券を登録する」をクリック
③ギフト券番号を入力し、「アカウントに登録する」をクリック
この後、どう表示されるかが重要です。
もし使用前なら、このように表示されます。
無事登録できた方は、だまし取られたギフト券を取り返せたということです。間一髪!間に合ってよかったですね!
ギフト券を取り返したら、着信拒否や受信拒否設定をして、犯人からの連絡手段を断ち切っておきましょう。
使用後だった場合は、「別のアカウントに登録済みです。」と表示されます。
警察に被害届を提出・Amazonカスタマーサービスに連絡
ギフト券が登録済みだったとしても、諦めないでください。
すぐ警察に被害届を出して、どこの警察署に出したかをAmazonカスタマーサービスに連絡し、警察からも被害届が出されたことを連絡してもらいましょう。被害届が出されていることが確認できれば、該当のギフト券を凍結して、残っている金額分だけは返金してもらえるとのことです。使われてしまったら取り返せないので、できるだけ早く連絡しましょう。
■スマホからAmazonカスタマーサービスへの連絡方法
①左上の三重線をタップ
②「カスタマーサービス」をタップ
③「カスタマーサービスに連絡」をタップ
④問い合わせ方法をEメール、電話、チャットの中から選んでタップ
Eメールの場合
「Amazonを装ったメール、Amazonギフト券詐欺」→問い合わせ内容入力→「Eメールを送信」
電話の場合
「その他」→「Amazonを装ったメール、Amazonギフト券詐欺」→電話番号を入力→「今すぐ電話がほしい」
チャットの場合
①「その他」→「Amazonを装ったメール、Amazonギフト券詐欺」→問い合わせ内容入力→「チャットを開始」
パソコンからAmazonカスタマーサービスへの連絡方法
①「ヘルプ」をクリック
②「トピックから探す」の中から「問題が解決しない場合は」にカーソルを合わせる
③「カスタマーサービスに連絡」をクリック
④お問い合わせの種類は「その他」を選択
⑤お問い合わせ内容は「Amazonを装ったメール、Amazonギフト券詐欺」を選択
⑥お問い合わせ方法を選択して問い合わせ
※カスタマーサービスの対応時間は9:00~18:00です。
また、被害がなかったとしても、警察へは通報しておいたほうがいいでしょう。同じ手口で被害に遭った人もいるかもしれませんし、今後また自分がだまされる危険もあるからです。
Amazonギフト券詐欺は証拠が残りにくく、犯人の特定が難しいという問題もありますし、被害が少ないと警察はなかなか動いてくれませんが、被害者、被害額が多ければ、本腰を入れて捜査してもらえる可能性もあります。
メールやハガキ、電話の録音など、証拠になるものはできるだけ残しておきましょう。
消費生活センターに相談する
消費生活センターに相談するのも1つの手です。
消費者ホットライン「188」または各地の消費生活センターに相談できます。
SNSのフォロワーに連絡する
SNSを乗っ取られた場合は、他の手段で連絡を取れるフォロワーに乗っ取られたことを知らせ、連絡が取れないフォロワーにもメッセージに反応しないよう伝えてもらいましょう。
パスワードを変更する
フィッシングメールに引っかかって偽サイトでパスワードを入力してしまったら、乗っ取られる前に急いでパスワードを変更しましょう。
Amazonギフト券詐欺被害を未然に防ぐ対策は?
Amazonギフト券詐欺は、被害に遭ってから被害金額を取り戻すのが難しいため、未然に防ぐことが最も重要です。では、どんな対策をすればいいのでしょうか?
「ギフト券番号を教えて」と言われたら詐欺を疑う
通常、何かの料金をAmazonギフト券で支払わせることはありません。Amazonギフト券で支払いをさせようとするのは、詐欺である可能性が極めて高いということを覚えておきましょう。
「ギフト券番号を教えて」と言われても、絶対に教えてはいけません。
身に覚えがない請求には応じない
架空請求は、「支払わなければ訴訟を起こす」「職場に連絡する」など、不安をあおる言葉で脅してきます。
しかし、身に覚えがない請求に応じる必要は一切ありません。無視しましょう。
無視していいのか心配なら、警察や消費生活センターに相談することをおすすめします。
警察に電話で相談するなら、相談専用電話「#9110」を利用しましょう。
怪しいメールに反応しない
架空請求のメールやフィッシングメールなど、怪しいメールは無視しましょう。
本文中のURLにアクセスしたり、電話をかけたり返信したりしてはいけません。
フィッシングメールは見分けが難しいこともありますが、個人情報の入力を求められたら要注意です。「アカウントが閉鎖されます」「不正ログインされた可能性があります」など、不安をあおる内容だったとしても、焦ってすぐに個人情報を入力しないようにしてください。そのメールとサイトが本物なのか、必ず確認しましょう。
確認する方法は、
・URLの頭が「https」になっているか(「http」なら偽サイトの可能性)
・URLの前に錠前マークが表示されているか
(Amazonの本物のサイトはこのような表示)
・メールからではなく、ブックマークや検索サイトから本物のサイトにアクセスしてみる
・本物のサイトに記載された連絡先に問い合わせてみる
・検索サイトでメールの件名や本文を検索してみる
などがあります。
パスワードの管理を厳重に
乗っ取りを防ぐために、パスワードの管理は厳重にしましょう。推測されにくい複雑なものにする、複数のサイトで使い回さない、定期的に変更するなどの対策が有効です。
買い取り業者選びは慎重に
Amazonギフト券を買い取ってもらう場合は、詐欺業者に引っかからないよう注意が必要です。
ネットの口コミをチェックする、買い取り業者のサイトを隅々までよく読むなどして、慎重に業者を選びましょう。
自分を過信しない
「自分はだまされないから大丈夫」と思っている人ほど詐欺の被害に遭いやすい傾向があります。
「自分は大丈夫」と過信していると、だまされそうになった時に忠告してくれる人がいても聞き入れようとしません。コンビニで店員の忠告を聞かずにAmazonギフト券を購入して、被害に遭ってしまったという人もいます。
自分を過信せず、「だまされるかもしれない」という警戒心を持つようにしましょう。
気を付けて!Amazonギフト券の詐欺の手口を徹底解明! まとめ
Amazonギフト券の詐欺の手口と対策法をご紹介しましたが、いかがだったでしょうか?
詐欺の被害を防ぐには、手口と対策法を知って「自分は大丈夫」と過信せず警戒することが大切です。
この記事が詐欺の被害を食い止める一助になることを願っています。